大好物のにおいのするキッチン2号店

おかえりなさい。今晩はあなたの大好物よ。

新世界

あと8分で日付が変わる。

明日会社に着ていく服がないのでコインランドリーに来ている。

暇だ。

携帯の充電もあと6%しかない。

疲れて頭が回らない。

 

コインランドリーの中に死ぬほどでかい虫がいる。放射能が原因で巨大化したとしか思えないでかさのカミキリ虫。怖い。

 

人は理解できないものに対して恐怖を感じるらしく、逆に言えば理解さえしてしまえば恐怖は克服できるということになる。

だから人は目に見えないものや、不確かな存在に無理やり理屈や理由を付けようとする。

例えば幽霊なんかは恐怖の象徴みたいなところあるけど、「全ては科学的に証明できる。あれはプラズマの一種だ。何も怖がることはない。人の脳がプラズマに自己の映像記憶を写して錯覚を起こす現象で、これは脳科学で証明されている。」とか言われるだけで、幽霊が不確かな存在ではなくなり恐怖はやわらぐ。理解するだけで「何だ、脳の錯覚か。なら大丈夫だ。」と思うようになる。

 

同じように不確かな恐怖として外せないものが「死」であり、人類最大の恐怖と言える。

これに対しても死と隣合わせであった日本の武士の言葉に「武士道とは、死ぬことと見つけたり」というものがある。

本来恐怖の対象でしかない「死」こそが、実は武士の道であると説くことで、死すら恐れぬ侍が存在していたという。

 

理解さえしてしまえば恐怖は恐怖ではなくなる。人は死すら超越した存在になれる。

 

そう、私のように。

 

集え!我がハッピーハッピー教団へ!

我こそがこの腐敗した世界を変える救世主であり、神である。

信じる人間だけに全てを超越した世界を見せてやろう!

 

さあ、貴様ら。

 

救われよ!!

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