ようさんが怖い話をしてくれとせがんでくるので、適当に「口裂け女」の話をしてあげた。
すると思わぬ質問攻めに遭い、
「綺麗だよって言ったら殺されんの？綺麗ですって言えばいいと？」
「口裂け女に会ったらどうしたらいいと？」
「足速いと？」
など、矢継ぎ早に質問をされた。
俺もうろ覚えで詳細までは知らないので、遭遇した場合の対処方法をGoogleで調べてみたところ、
「ポマードと3回唱えれば少しひるむ」
「手に犬と書いて口裂け女に見せればひるむ」
と書いてあった。
（うーん、ひるむって解決になってないやん。）と思い、
他に画期的な対処方法がないか調べたところ、
「田中さんの友達です」と言えば見逃してくれると書いてあった。
（これやん）と思い、ようさんにこのことを教えてあげると、
「わかった。口裂け女に遭ったら田中さんの友達ですって言うわ」と満足気だった。
しかし、よっぽど怖かったのか、それから毎日
「パパ、口裂け女に遭ったら田中さんの友達ですって言えばいいんよね？」
としつこく聞いてくる。
最近、本当にどうでもいいのに口裂け女と田中さんの関係が気になって仕方ない。
Wikipediaにも2人の関係は載っていないので、想像するしかないけど、多分田中さんは口裂け女が想いを寄せる男性と思う。
口が裂けて子供殺しまくる女でも恋には勝てないってことよね。
普段男勝りなくせに好きな男の前ではスカート履くタイプやな。好きやわ。
もうさ、マスクのままで生活すりゃいいんよね。YouTuberでもマスク絶対外さん人おるしね。マスクしときゃ美人なんやろ？
俺全然いけるよ。全然いける。
口裂け女に遭ったら「俺が田中さんを忘れさせてやる」って言うわ。
ワンチャンあると思うわ。
俺が今行方不明になったとして、本気で心配してくれる人は誰かと考えると、多分親やろうな。その次が友達。子供も本気で探してくれるかもしれない。
一番近くにいる奥さんはそんなに心配しないと思う。それがすごく悲しい。
でもそれは奥さんが悪いのではなく、信頼を積み上げて来れなかった俺が悪い。
何も魅力ない男と自分でも思う。愛想つかされるのも分かる。
だからもうつくづく生きていくのが嫌になった。奥さんのことを幸せにしたい思いはあるので、奥さんがいない人生を歩んでいくことがすごくつらい。
一緒にいても俺にベクトルは向いてない。一緒の方向も向いてくれない。
俺が死んだら悲しむかな？
自信ない。
会社の風俗大好きな友人から、タイで買ってきたバイアグラを分けてもらった。
興味本位で飲んでみたところ、たちまちにおちんちんが2倍の大きさに膨張し、ズボンから亀の頭が常に顔を出す状態になってしまった。
歩くこともできず、安川先生の顔を思い出しても勃起が収まらず、プライベートライアンを思い出しても反り立つ反逆っぷり。
「助けて下さい！誰か！助けて下さい！」
すると、奇跡が起きた。
目が覚めるとおちんちんは普通のサイズに縮んでいた。
本当に良かった。
ようさんが保育園に持っていっている小さなトートバッグに《ＹＯＵＴＡ》とプリントされていた。
ヘボン式で表記されていない気持ち悪さがあり、奥さんに「普通名前をローマ字にする場合は《ようた》は《ＹＯＴＡ》って表記だよ。」と教えたところ、
「《う》はどこにいったん？ようさんは《よおた》じゃないよ？《ようた》よ？世間の常識が間違っとる。ようさんのローマ字はこれが正しい。」
と言い返された。
じゃあ《ＴＯＫＹＯ》は《ＴＯＵＫＹＯＵ》って表記するのが正しいんかって言い返そうかと思ったけど、奥さんの言いたいことも分かる。
俺も大学時代、中国語の授業で、中国語では俺の名前が《グーメン》になると習った時は（お前の国基準で勝手に名前の呼び方変えんな）と軽くキレた記憶がある。
中国だけじゃなく、日本でも本当の呼び方をしてないんじゃないかと思う事例は多くある。
Twitterもツイッターと呼ばれているけど、本当はツウィッターなんじゃない？
太平洋超える間にWどこに行ったん？
本当はツイートじゃなくツウィートなんじゃない？
まあ、どうでもいいんやけどね。
ちなみに俺はツウィッターもインスタグラムもやってない。
昨日からようさんにひらがなを教え始めた。
怒るとすぐヘソを曲げるので、たくさん褒めながら教えるよう気をつけている。
一日一文字のペースで2ヶ月でマスターさせたくて、昨日は早速「あ」の読み書き練習をしたけど、「あ」はスタートにしては難易度が高い。難し過ぎる。
ひらがな難易度でいえばAランクの難しさ。
本来スタートとしては「し」がベスト。次に「つ」。あと「へ」。
「あ」をスタートにしたやつにめり込みパンチを食らわせたい。
ちなみにひらがな難易度Sランクは「を」。
昔広告の営業をしていた頃、カムカムカンパニーって店名のお菓子屋さんに営業をかけたことがあった。
俺はカムカムカンパニーって名前が気に入って営業をかけていたのに、ある日店長が店名を変えると言い出した。
変えた名前はおしゃれな店名で、哀愁の欠片もなかった。
俺はすごく悲しかったけど、店は改名してから大繁盛することになった。
あの繁盛は俺が書いた広告記事のおかげであり、改名がきっかけではないと信じたい。
今はなき、カムカムカンパニーの為にも。
